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統合失調症部門
 統合失調症は、いつの時代、どの国でも、約100人に一人がかかると言われる病気です。
症状は、幻覚、妄想、自我障害などです。専門用語でわかりづらいので解説します。「幻覚」とは、実際には存在しない刺激を感じてしまうことです。幻覚には、人間の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)にそれぞれ対応し、幻視、幻聴など呼び方があります。例えば、誰もいないところから声が聞こえることを幻聴といいます。
次に、「妄想」とは、事実とは異なることを信じてしまうことです。「となりの人が自分の命を狙っている」、「自分は天皇の生まれ変わりだ」と信じ込んでしまい、他の人が訂正しようとしても訂正できません。この妄想に基づいて、行動を起こしてしまうこともあります。

 続いて、「自我障害」です。自我障害とは、自分と他人との境界がわかりづらくなることです。自分の考えが漏れて他人へ伝わってしまっている、また逆に他人の考えが勝手に自分の中に入ってくるような感覚です。妄想、幻覚に比べると、この自我障害は感覚的に理解しにくいかも知れません。

 以上のような症状が続き、周囲にも理解されない状況になると、とても辛いことが想像できます。精神的に追い込まれるだけでなく、不眠や食事がのどを通らなくなるなど、身体的にも衰弱していきます。

 では、なぜこのような辛い症状が起きるのでしょうか?残念ながら、現代医学をもってしても、統合失調症の原因ははっきり確定していません。ここでは、ドーパミン仮説について説明します。ドーパミンとは、脳内の神経伝達物質の一種です。通常は、怒ったり興奮した時などにドーパミンが放出されます。統合失調症の場合、この放出されるドーパミンの量が多いことがわかっています。(なぜドーパミンの量が増えるのかは解っていません)ドーパミンが多いと、幻覚などの症状が出ると言われています。このドーパミン仮説以外にも仮説はありますが、いずれも未だ証明されていません。
次に、病院で行う治療について説明します。「薬物療法」「心理社会的療法」「作業療法」などがあります。

 薬物療法、つまり薬です。薬の効用は、多すぎるドーパミンを、程よく減らす作用があります。ドーパミンが減ると、幻覚等の症状がなくなる、もしくは和らぎます。薬の量が多すぎると副作用が出るので、主治医とよく相談しながら、適量を調整することが大事です。また、薬には、今ある症状を抑えるだけでなく、再発予防の効果もあるので、症状が良くなったからと自己中断するのではなく、主治医とよく相談して下さい。

 残念ながら、すべての方が、薬が良く効くわけではありません。なかなか薬の効果が感じにくい方もいらっしゃいます。このような、薬が効きにくい統合失調症を、「治療抵抗性統合失調症」と呼びます。当院では、治療抵抗性統合失調症に対しては、「クロザピン」という特別な薬を当院では使用しています。治療抵抗性統合失調症クロザピンについては、リンク先を参照してください。そちらで詳しく解説しています。
心理社会的療法作業療法についても、それぞれリンク先で説明していますので、そちらを参照して下