東Ⅰ病棟 精神科救急急性期病棟

東Ⅰ病棟は、2019年4月からスーパー救急病棟として運営されています。病棟は、男女混合閉鎖病棟で出入り口は常に施錠されています。精神症状によって生活する事が困難になってしまった患者さんに対して、服薬を中心にした薬物療法とともに、心理教育、服薬指導、作業療法、そして看護面接を行います。また、琉球病院の特色のひとつm-ECTも当病棟で専門的に行っています。

入院される患者さんは精神科急性期特有の陽性症状や著明な陰性症状を呈しているため、リスク管理を中心とした精神科治療が優先されます。隔離拘束などの行動制限を余儀なくされることもあるため、急性期特有のセルフケアを中心とした手厚いケアが必要とされています。

初発の精神疾患、措置入院や鑑定入院患者、急性憎悪を繰り返す方など幅広い患者が入院していて、年齢層も10代から90代までいらっしゃいます。そのため、入院患者の粗暴行為や患者同士のトラブルなどに留意して療養環境を整える必要があり、看護師には精神症状や人格特性への理解、観察力や状況判断、リスクアセスメント能力、コミュニケーション能力が求められています。

病棟は、精神科看護の専門性を発揮し、患者さんを基本とした安心と安全な看護の提供が行えるよう、医療チームの連携を強化して医療を提供しています。

当病棟の使命は、患者さんに寄り添いながら、早期から患者さんへ効果的な治療を提供することで、精神症状からの回復を支援し、社会復帰を促進していくことです。これからも患者さんに寄り添い、多くの患者さんの回復を支援していきたいと考えています。

病棟の1日の流れ

  • 6:00

    起床・洗面

  • 7:00

    朝食・朝薬与薬

  • 9:00

    検温(バイタルサイン)・環境整備

  • 9:30

    作業療法・レクリエーション活動

  • 12:00

    昼食、昼食後薬与薬

  • 13:30

    作業療法・レクリエーション活動

  • 14:00

    単独散歩(医師の許可がある患者のみ)

  • 15:00

    処置・検査等・入浴

  • 18:00

    夕食・夕食後薬与薬

  • 20:00

    就寝薬与薬

  • 21:00

    消灯

東Ⅱ病棟 クロザピン治療病棟

当院は、日本で初めて治療抵抗性統合失調症の患者に対し、クロザピン薬物療法を目的とした治療を行った専門病棟です。

クロザピンは重い精神症状の改善だけではなく、自傷・他害、再入院のリスクを低下させるなど、様々な有効性を持つことで、近年その治療効果に注目が集まっています。また、クロザピン治療を行う患者の年齢が若く、陽性症状を呈する患者さんにさらに効果的であると言われています。

発病早期に治療抵抗性の診断をして、発症早期と若年齢の時期にクロザピンを導入できれば、患者・家族の回復や成長など早期の社会復帰に繋げられます。その一方で、無顆粒球症や心筋炎、糖尿病など副作用の可能性があり身体管理も重要です。

よって、看護師には身体、精神双方の看護が重要となり、「傾聴する力」「観察する力」「予測力」「判断力」「対応能力」「気づきを共有する力」が求められる病棟です。

東Ⅲ病棟 アルコール・薬物依存症治療病棟

新型コロナウィルスの影響で、暫く休棟していたアルコール依存症病棟が、2023年6月1日より再稼動しました。

久里浜医療センターから赴任した真栄里副院長を筆頭に、多職種(医師・薬剤師・看護師・心理士・作業療法士・管理栄養士・ソーシャルワーカー)チームでプログラムを運営しています。

午前・午後と準備されている豊富なプログラムは、アルコール依存症の方が、病気に対する正しい知識を学び、断酒に向けた行動、動機を高めて行ける内容になっております。
午前中のプログラムは多職種スタッフが中心に実施し、午後は看護師が中心となって進めております。
初めは否認していた患者さんも、「断酒」の必要性を認識され、「断酒」に必要な知識とスキルを学ぶことで、発言内容に変化がみられるようになります。
動機づけ面接などを通して、患者さんの回復過程に関わる看護師のモチベーションアップにもつながっております。

2023年7月から、家族教室を開始しています。飲酒問題で困っているご家族の方、是非ご相談ください。私たちがお手伝いをします。

  午前 午後
SST 輪読会(Ns)
作業療法 ミーティング(Ns)
運動療法 心理教育※ 第2:断酒会
変化のステージミーティング 絵画療法(Ns)
ストレスマネジメント Dr塾 真栄里・中井 つづり方教室(Ns)
  第1:AA 14:00~15:30
  第3:NA 14:00~15:30

※多職種それぞれのテーマ

西Ⅰ・西Ⅱ病棟 重症心身がい児(者)病棟

当院は、1976年から重症心身障がい児(者)病棟として運営しています。
日常生活動作の未発達およびてんかん、脳性麻痺などの合併症と情動行動障害などの利用者さんが入院されています。

医師や看護師だけでなく、児童指導員、保育士、理学療法士、言語聴覚士、療養介助専門員などのチームスタッフで医療ケア、日常生活訓練などに取り組んでいます。

2006年度から個別支援事業が開始され、障害者福祉サービス事業所との連携で利用者のサービスに努めています。

西Ⅰ病棟
強度行動障害をもつ利用者が主に入院し療養生活を送っています。
西Ⅱ病棟
強度行動障害に加え、経管栄養(経鼻・胃ろう)や気管切開など、
身体的ケアや管理を必要な利用者が入院されています。

利用者一人一人がその人らしく療養生活が送れるよう、受け持ち看護師を中心に利用者の特性を理解し個々に合った看護実践をしています。

チームスタッフ構成

医師看護師療養介助専門員(介助員)児童指導員保育士理学療法士言語聴覚士

西Ⅲ病棟 医療観察法病棟

当院は2007年に指定入院医療機関として病棟を開設し、これまで全国から225名の対象者を受入れ、198名が退院しております(2023年10月時点)。全国の通院処遇対象者全体では通院処遇期間中に重大な他害行為を認めた事例は0.7%存在しますが、他国と比較すると低い割合であることがわかっており、本法の医療が効果をあげていると考えられております。

医療観察法は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇制度です。

この法律の下に指定入院医療機関としての医療観察法病棟があり、医師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士・臨床心理技術者からなる多職種チームで治療を進め、リスクアセスメントおよびリスクマネジメントを行うことで病状の改善と他害行為の再発防止を図り、社会復帰の促進を目指しております。

また、この医療は入院医療と通院医療に分かれており、退院後の指定通院医療においては、院内多職種チームだけではなく、院外の機関である保護観察所や関係各機関との連携と協働が支援の要となります。

主な治療内容

治療ステージは、急性期、回復期、社会復帰期の3つに分かれています。

急性期
治療への動機づけ、対象者との信頼関係の構築です。
回復期
病識の獲得と自己コントロール能力の獲得、日常生活能力の回復、院内散歩や外出ができるようになります。
社会復帰期
社会生活能力の回復と社会参加の準備で、外泊と同時にさまざまな職種の医療者がチームを組んで治療方針を決定し、状態にあわせた治療を行います。対象者や対象者家族も話し合いに参加し、退院後の社会生活についてチーム及び社会復帰調整官を含め退院調整を行っていきます。
看護はケアコーディネーターとして調整する役割もあり、日常生活における援助や指導・服薬、金銭の自己管理、自宅・施設等に外出・外泊訓練に同伴します。

北Ⅰ病棟 社会復帰病棟

当病棟は、慢性期の統合失調症患者を中心とした病棟です。
「患者さん中心の医療と看護」をモットーに、クライシスプランの導入を行い、患者様自身の状態悪化時の兆候や対処法などをご本人、家族、地域支援で情報共有し、地域生活の定着に繋げられるよう取り組んでいます。

社会復帰に向けて、患者さんとご家族を中心に、医師・ケースワーカー・作業療法士・精神保健福祉士・病棟看護師が連携し、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を導入したレクリエーション、外出訓練の実施などを通し、日々の日常生活に必要なスキル獲得の訓練などを行っています。
嚥下機能が低下し、通常の食事が難しい患者さんには、言語聴覚士や栄養士と連携して嚥下訓練を実施し、段階に応じた食事形態の見直しなどを行い対応しています。

また、当病棟には児童思春期ユニットも4床併設しています。「沖縄県子どもの心の診療ネットワーク事業」として発達障害、適応障害の児童に対し、生活習慣の改善へ向け、多職種でケアに取り組み早期の社会復帰を目指し取り組んでいます。

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