当院は、初期臨床研修の協力型指定病院です。

当院は、初期臨床研修(沖縄県立北部病院、沖縄県立中部病院、群星(むりぶし)沖縄)の協力型指定病院です。

後期精神科臨床研修(専修医)プログラム

琉球病院の後期精神科研修医師(専修医)プログラムは、国立病院機構の精神科病院が連携して研修を行うP-プロジェクトに沿って研修を進めています。連携の中心は肥前精神医療センターですが、希望により研修先を選定します。また、大学など他の教育研修期間と連携し、また補完して精神科の臨床研修を実施しています。

精神保健指定医取得のための症例を体験し、また他では体験できない臨床経験や症例を積む機会もあり、次の世代を担う精神科医師養成の一助となります。下記のプログラムを組んでおりますが、必要に応じて研修内容の希望などお申し出ください。

研修指導に関しては国立5施設(肥前・東尾張・久里浜・花巻・琉球)でテレビ会議システムによるクルグスやセミナーなどの講義を充実させ、症例検討などの指導も共同して利用できる設備を準備しています。沖縄の文化風土に親しみながら、余裕のある研修を体験していただければと願っています。

研修プログラム責任者
院長 福治 康秀
研修受付
独立行政法人国立病院機構 琉球病院 管理課
研修中の身分と待遇
独立行政法人国立病院機構の人事規定による常勤医師を原則とします。

プログラム一覧

カリキュラムの構成

基幹研修機関と期間や内容を協議します。

カリキュラム 期間や内容
1年プログラム 上記①は必須、②から⑤までは選択する
6ヶ月プログラム ①から⑤まで選択する(3項目を原則)
専門養成プログラム ①から⑤までのいずれかを1項目を専攻する

その他

  • 精神保健指定医取得を目的とする症例
  • 精神神経学会専門認定医を目的とする症例と診療
  • 症例検討会(週2回)
  • 小児精神科医療研究会(月2回)
  • 認知症研究会(月1回)
  • 頭部MRI・脳波検討会(週1回)
  • 各専門医によるクルズス(2/週)

地域情報

琉球病院のある金武町は沖縄本島の中部に位置し豊かな海や森など自然に恵まれ、有数のリゾート地である恩納村に隣接しています。那覇空港まで1時間の距離で、那覇空港は日本全国につながっています。

プログラム詳細

① 基本プログラム

  • 基礎的な精神科診療(精神現象の評価、ICD-10,DSM-Ⅳに基づく診断)
  • 脳画像診断(MRI,CT.NIRSなど)と脳波の基礎
  • 精神科薬物療法の実際
  • 心理面接の実際
  • 修正型電気けいれん療法mECTの実際
  • 病棟運営の実際
  • 外来診療の実際
  • 多職種チーム医療(MDT)

② アルコール依存プログラム

  • アルコール依存の評価と初期介入(HAPPYプログラム)
  • アルコール依存プログラム(ARP)
  • 認知行動療法の理論と実際(肥前版「変化のステージ」プログラム)
  • #担当病棟 アルコール依存病棟(東Ⅲ病棟)

③ 司法精神医学プログラム

  • 精神鑑定の基礎と実際(刑事責任能力鑑定、医療観察法鑑定)
  • 医療観察法の入院プログラム(医療観察法病棟)
  • 医療観察法の通院プログラム
  • 包括的暴力防止プログラムの理論と実際
  • 暴力に対するリスクアセスメントとマネージメント
  • #担当病棟 医療観察法病棟(西Ⅲ病棟)

④ 修正型電気けいれん療法mECT

  • 受け入れ病棟(東Ⅰ病棟):重症うつ病を中心
  • 同上:急性期や難治例及び治療抵抗症例
  • mECTの適応
  • 術前検査
  • 麻酔
  • サイマトロンによるmECTの実施
  • #担当病棟 東Ⅰ・西Ⅲ病棟

⑤ 特殊精神科薬物療法

  • 特殊薬物療法の基礎
  • 精神科薬物療法の適正化
  • クロザピンによる治療抵抗性統合失調症 CPMSについて
  • #担当病棟 東Ⅱ・西Ⅲ病棟

⑥ 精神科リハビリテーションと包括的地域精神医療プログラムACT

  • 機能別病棟の運営
  • 戦略的薬物療法の実際(減量単剤化と非定型抗精神病薬への変更)
  • 包括的地域精神医療プログラムACT
  • #担当病棟 デイケア棟(デイケア医長)/外来・訪問・医療連携室(外来医長、外来看護師長)

⑦ 小児思春期精神科

  • 発達障害(PDD・LD)及びADHDの評価と診断
  • 小児思春期の情緒障害の評価と診断
  • 発達障害等の治療と療育
  • 小児思春期情緒障害の治療
  • #担当 外来・心理室・療育指導室

⑧ 重症心身障がい者

  • 重度知的障害者の療育
  • 重症てんかんの治療
  • 自閉症の診断と療育
  • #担当病棟 重心病棟(西Ⅰ・Ⅱ病棟)

後期精神科研修医制度(Pプロジェクト)

プログラムの特徴

沖縄県中北部で地域医療を積極的に展開している単科精神科病院と総合病院で構成され、都市部と過疎地域を合わせた地域精神科医療を学ぶことができる。

国立病院機構のネットワークを活かし、三重県の榊原病院と新潟県のさいがた医療センターで研修も行い、様々な地域の精神科医療・司法精神医療を学ぶことで幅広い精神医療を経験できる。

基幹病院

琉球病院は、416床を有する国立精神科単科病院で救急医療・精神科専門医療・地域精神医療に積極的に取り組んでいる。精神科専門医療は、児童・思春期精神科、アルコール・薬物依存症、治療抵抗性精神疾患治療(クロザピン・m-ECT)、認知症治療の専門病棟・病床を有し、各ライフステージに合わせた専門治療が可能である。また、医療観察法病棟、精神鑑定などの司法精神医学も学ぶことができる。精神科救急・急性期医療は県の中北部地域の精神科救急基幹病院として認定され、多くの精神科救急入院患者を受け入れている。地域精神医療も積極的に展開し、当事者や家族を行政機関・地域支援者と協働し支えている。臨床研究部を有し、臨床での実践や課題を臨床研究として取り組むことができる体制がある。

連携病院

新垣病院

民間単科精神科病院で、統合失調症の精神科救急・急性期治療から、慢性期患者の地域移行・地域生活援助・就労支援まで、多職種チームによる一連の地域治療モデルを構築・完備している。認知症も、日本老年精神医学会専門医が在籍する認知症疾患治療病棟、重度認知症患者デイケアを運用し、地域基幹病院である。

沖縄県立南部医療センター

県の1次~3次の救命救急医療の基幹的役割を担っている総合病院で、臨床研修と医学教育の指導体制の充実は全国的にも有名で豊富な実績がある。リエゾン精神学・チーム医療の症例は豊富であり、緩和ケアチームして精神腫瘍学、認知症臨床、性同一性障害(GID)の研修も行うことができる。

榊原病院

三重県の国立精神科単科病院で、司法精神医学分野は全国的に高い評価を受けており豊富な実績がある。精神科救急・急性期、慢性期患者の社会復帰、アルコール依存症治療にも取り組んでおり、沖縄県以外での地域精神医療を学ぶことができる。

さいがた医療センター

新潟県の国立精神科神経内科病院で、精神疾患と神経内科系疾患の治療を同時に行う必要がある患者も受入れ可能である。司法精神医学、アディクション系全般の研鑽、精神科救急、精神科デイケアなどの幅広い精神科臨床の経験を積むことができる。 クロザピン治療、修正型電気けいれん療法の他、精神医学、地域医療に貢献する地域の医療人育成にも力を注ぐこととしている。

関連コンテンツ